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読んだ本の感想4分で読めます

フロントエンドエンジニア養成読本 — 知らないものは、検索できない

公開

フロントエンドの知識が、断片のまま溜まっていました。

必要になるたびに調べて、動いたら次へ進む。それを繰り返していたので、個々のやり方は知っているのに、全体のどこに位置する話なのかが分かっていない状態でした。

この記事で扱うこと

調べながら覚えると何が抜けるのか、地図として1冊読むことに何の意味があるか、そして発行から時間が経った本をどう読むかです。

調べて覚えると、地図が作られない

検索して覚えるやり方は速いです。目的がはっきりしているので、無駄がありません。

ただ、この覚え方には抜けるものがあります。自分が今どのあたりの話をしているのかが分からない。

調べて覚えたこと 分かっていなかったこと
この書き方で動く 他にどんなやり方があるのか
この道具の使い方 そもそも何を解決する道具なのか
この設定で直った なぜその設定が要るのか

右の列が空いていると、選べません。目の前の記事に書いてあるやり方を、そのまま採用するしかなくなります。合っているかどうかも判断できません。

知らないものは、検索できない

いちばん困ったのは、存在を知らない選択肢は検索に出てこないことでした。

調べるという行為は、探すものの見当が付いていて初めて成立します。見当が付いていない領域は、調べても素通りします。

並んでいることに意味がある

そこで、範囲を区切って1冊読むことにしました。この本を選んだのは、フロントエンドの守備範囲を一通り並べている構成だったからです。

1つ1つの解説の深さは、専門書には及びません。ただ、目的が違います。深く知るためではなく、何があるかを知るために読みました。

読み終えて変わったのは、知識の量ではなく、調べ始めるときの精度でした。何の話をしているかの見当が付くので、検索の言葉が決まります。出てきた記事が自分の状況に合っているかも判断できます。

地図は、細かくなくていい

地図に求めるのは正確な描写ではありません。どこに何があるか、その間がどうつながっているかだけです。

細部は必要になったときに調べれば足ります。ただし「そこに何かがある」ことを知らないと、調べに行くこと自体が起きません。

発行から時間が経っている

この本の注意点は、そこに尽きます。フロントエンドは入れ替わりの早い領域で、当時の道具立てと今のものは同じではありません。

実際、自分が今このサイトで使っている作り方とは、前提からして違います。当時の具体的な手順をそのまま真似すると、古い書き方を覚えることになります。

それでも読む価値があると感じたのは、道具は変わっても、その道具が解こうとしている問題は残っているからでした。何を自動化したいのか、なぜ分けるのか、どこで速さが落ちるのか。その部分は入れ替わっていません。

読み方を分けておく

古い本を読むときは、「何を解こうとしているか」と「どう解いているか」を分けて読む必要があります。

前者は持ち帰れます。後者は今の手段に置き換えて考えることになります。混ぜて読むと、解決済みの問題のために古い手順を覚えることになります。

今から同じことをするなら

全体像をつかむ目的なら、この本でなければならない理由はありません。今のフロントエンドを一通り並べた本であれば、同じ役目を果たします。

大事なのは本の新しさよりも、断片を集める読み方と、地図を作る読み方を分けていることのほうだと考えています。前者は検索で足りますが、後者は検索では作れませんでした。

読んだ本

フロントエンドエンジニア養成読本技術評論社(Software Design plus)

使っている理由
必要になるたびに調べて覚えていたので、フロントエンドの知識が断片のまま溜まっていた。個々のやり方ではなく、全体のどこに何があるかを知りたかった。
効いた点
守備範囲を一通り並べた構成なので、地図として読める。読んだあと、調べ始めるときの検索語が決まるようになった。深さより「そこに何かがある」と知ることに効く。
合わなかった点
2014年の本で、当時の道具立てと今のものは同じではない。具体的な手順をそのまま真似すると古い書き方を覚えることになるので、何を解こうとしているかと、どう解いているかを分けて読む必要がある。

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今回の学び

まず、検索は見当が付いている範囲にしか効かないということ。知らないものは検索語にできないので、調べ続けているかぎり空白は空白のまま残ります。

次に、浅く広い1冊には、深い1冊とは別の役目があること。深さを求めて読むと物足りませんが、地図として読むなら浅さは欠点になりません。求めているものが違います。

そして、古い本は、問題と手段を分けて読むこと。手段は入れ替わりますが、その手段が何を解こうとしていたかは残ります。分けて読めば、古い本からでも持ち帰るものがあります。

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