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業界・制作用語の用語

Web制作の現場で使われる言葉。技術者以外との会話で出てくるものを中心にまとめている。

それぞれ「なぜそれがあるのか」と「つまずきやすい点」まで書いています。実際にこのサイトを作る中で出てきた具体例も入れました。

アフィリエイト(あふぃりえいと)

紹介したリンク経由で成約したとき、報酬を受け取る仕組み。成果報酬型広告。

紹介したリンク経由で実際に契約や購入があったときに報酬を受け取る仕組みです。成果報酬型広告とも呼ばれます。

表示回数型の広告との違い

表示されるだけで収益になる広告と違い、成約しないと収益になりません。そのかわり、1件あたりの金額は大きくなります。

サーバー契約のような商材では、1件で表示型広告の数万回分に相当することがあります。

相性の良し悪し

読者が「これから何かを選ぶ」段階にいる記事と相性がよく、すでに使っている人向けの記事とは相性がよくありません。

また、実際に使っていないものを勧めると、書ける内容が薄くなり、記事全体の信頼を損ないます。使ったものについて、良かった点と困った点の両方を書くほうが、結果的に読まれます。

法令上の義務

広告であることの表示が必要です。詳しくは「ステマ規制」の項を参照してください。

アートディレクション(あーとでぃれくしょん)

制作物全体の見た目の方向性を決め、統一を保つ役割。

制作物全体の見た目の方向性を決め、最後まで統一を保つ役割です。ADと略されます。

デザインとの違い

デザイナーが個々のページを作るのに対し、アートディレクションは「全体としてどう見えるか」に責任を持ちます。

ページ単位では良くても、並べると印象がばらつく、ということが起こります。それを防ぐのがこの役割です。

実務での現れ方

色の使い方、余白の取り方、写真の選び方といった判断基準を言語化して共有することが中心になります。基準が言葉になっていないと、担当者が変わった瞬間にぶれます。

一次情報(いちじじょうほう)

自分が直接体験・調査して得た情報。他人のまとめではない情報。

自分が直接体験したり調査したりして得た情報です。他の記事をまとめ直したものは二次情報と呼ばれます。

なぜ価値があるのか

同じ内容をまとめた記事は無数にあります。しかし「実際にやってみたらこうなった」は、やった人にしか書けません。

「この設定でこのエラーが出た」「公式の手順通りにやったら、ここで止まった」といった記録は、同じ状況にいる人にとって代わりが効きません。

戦い方としても有利

一般的なキーワードでは、資本を投じているメディアに勝てません。しかし具体的な症状やエラーメッセージで検索する人に対しては、競合がほとんどいません。

検索する人数は少なくても、その少数は答えを強く必要としています。

カンプ(かんぷ)

完成イメージを具体的に示したデザイン案。comprehensive layout の略。

comprehensive layout の略で、完成形に近い見た目のデザイン案です。色、写真、文字組みまで作り込んだ状態を指します。

ワイヤーとの違い

ワイヤーが構造を決めるものなら、カンプは見た目を決めるものです。順番としては、ワイヤーの合意を得てからカンプに進みます。

確認するときの注意

カンプは静止画なので、動きや、画面幅が変わったときの挙動は表現されません。「スマホではどうなるか」は別途確認が必要です。

また、実際の文章量はカンプ通りにならないことが多く、長い見出しが入ったときに崩れないかは実装段階で見ることになります。

キックオフ(きっくおふ)

プロジェクトの開始時に、関係者が集まって前提を揃える打ち合わせ。

プロジェクトの開始時に、関係者全員で前提を揃える打ち合わせです。

ここで揃えること

目的、担当範囲、連絡の窓口、判断する人、スケジュールの節目。「誰が決めるのか」を最初に確認しておくと、後で止まりません。

省略すると起きること

省いても進みますが、後半で「聞いていない」「そちらが決めると思っていた」が出ます。手戻りの多くは、前提のずれから生まれます。

スコープ(すこーぷ)

そのプロジェクトで対応する範囲。含まれないものも明示する。

そのプロジェクトで対応する範囲のことです。

「含まれないもの」を書く

やることだけを書くと、書かれていない部分の解釈が分かれます。「今回は含みません」を明記するほうが、後の摩擦を減らせます。

スコープクリープ

作業中に少しずつ範囲が広がっていく現象を、こう呼びます。1つ1つは小さな追加でも、積み重なると当初の見積もりが成立しなくなります。

防ぐには、追加が出たときにその場で「追加である」と共有することです。黙って対応すると、それが前提になります。

ステマ規制(すてまきせい)

広告であることを隠して宣伝することの規制。2023年10月から景品表示法の対象。

広告であることを隠して宣伝する行為(ステルスマーケティング)の規制です。2023年10月から、日本では景品表示法の対象になりました。

何が求められるのか

広告やアフィリエイトリンクを含む場合、それが広告であると分かる表示が必要です。「PR」「広告」「アフィリエイト広告を含みます」といった記載が該当します。

表示は見つけやすい場所に置く必要があります。記事の最後や、小さな文字で紛れさせる形は認められません。

実務での作り方

記事ごとに手で書き足す運用は、いずれ忘れます。しかも忘れても画面は正常に見えるため、抜けに気づけません。

タグなどで判定して自動的に表示する仕組みにしておくと、「リンクを入れるときにタグを付ける」という1つの操作に集約でき、表示だけが漏れることが起こりません。

ステージング環境(すてーじんぐかんきょう)

本番と同じ構成で用意した、公開前の確認用環境。

本番とほぼ同じ構成で用意した、公開前に確認するための環境です。検証環境とも呼ばれます。

なぜ必要なのか

開発中の環境と本番では、動きが違うことがあります。事前に作っておくページの生成や、キャッシュの効き方など、本番の手順でしか再現しない挙動があるためです。

いまの一般的な形

ブランチをpushすると自動で確認用のURLが作られる仕組みが普及しています。常設の環境を用意しなくても、変更ごとに本番同等の確認ができます。

この一手間を挟むだけで、「公開してから気づく」が「公開前に気づく」に変わります。

ディレクション(でぃれくしょん)

制作全体の進行と品質を管理する役割。関係者の間をつなぐ。

制作全体の進行、品質、関係者間の調整を担う役割です。担当者はディレクターと呼ばれます。

何をしているのか

スケジュールの管理、依頼内容の整理、成果物の確認、依頼側と制作側の間の翻訳。「作る人が作ることに集中できる状態」を維持するのが本質です。

見落とされやすい仕事

依頼側の言葉をそのまま制作側に流すのではなく、本当に必要なことに翻訳する部分が大きな価値です。

「もっと目立たせて」という要望の裏には、たいてい別の目的があります。そこを聞き出さずに文字を大きくすると、問題は解決しません。

ポートフォリオ(ぽーとふぉりお)

これまでの制作物や実績をまとめたもの。何ができる人かを示す資料。

これまでの制作物や実績をまとめたものです。「何ができる人か」を示す資料として使われます。

作品を並べるだけでは足りない

見る側が知りたいのは、完成物の見た目だけではありません。どこを担当したか、何を判断したか、何に詰まってどう解決したかです。

特に「詰まった話」は、能力を示す材料になります。うまくいった話は誰でも書けますが、判断の過程は実際に手を動かした人にしか書けません。

構成の目安

見る側は全部を読みません。1枚で概要が分かるページを用意し、詳細はその先に置くのが現実的です。

要件定義(ようけんていぎ)

何を作るのか、どこまでを作るのかを、着手前に文書として決めること。

何を作るのか、どこまで作るのかを、着手前に決めて文書にする工程です。

なぜ先にやるのか

作り始めてから「そういうつもりじゃなかった」となると、作り直しになります。後になるほど直す費用が上がるため、文章で合意できる段階で詰めます。

実務での勘所

「やること」より「やらないこと」を書くほうが効く場面が多いです。書かれていない項目は、双方が都合よく解釈します。

また、決められないことを無理に決めるより、「いつまでに決めるか」を決めるほうが現実的です。

リテイク(りていく)

提出した成果物に対する、作り直しの指示。

提出した成果物に対して、作り直しを求めることです。

回数を決めておく

契約時に「修正は何回まで」を決めておくのが一般的です。決めていないと、際限なく続く可能性があります。

減らすための工夫

リテイクの多くは、前工程の合意が足りていないことから生まれます。カンプの段階で方向性が固まっていれば、実装後の大きな作り直しは起きにくくなります。

また、指摘を受けたときは「なぜそう感じたのか」まで聞くほうが、直しの精度が上がります。言われた通りに直しても、根本が解決していなければまた戻ります。

リードタイム(りーどたいむ)

依頼してから完了するまでにかかる時間。作業時間そのものとは違う。

依頼してから完了するまでの実際に経過する時間です。

作業時間との違い

作業そのものが2時間でも、着手待ち、確認待ち、修正の往復を含めると3日かかる、ということが普通に起こります。

スケジュールを立てるときは、作業時間ではなくこちらで考える必要があります。

短くする方法

作業を速くするより、待ち時間を減らすほうが効くことが多いです。確認の回数を減らす、判断する人を決めておく、依頼時に必要な情報を揃えておく、といった工夫が直接効きます。

レギュレーション(れぎゅれーしょん)

制作上の決まりごと。表記ルール、色の使い方、ロゴの扱いなど。

制作上の決まりごとをまとめたものです。「レギュ」と略されます。

何が書かれるのか

表記のルール(半角/全角、送り仮名)、色の指定、ロゴの最小サイズや余白、禁止事項など。誰が作業しても同じ結果になるようにするためのものです。

効いてくる場面

担当者が複数いるとき、期間が長いとき、あとから引き継ぐとき。判断を人の記憶に依存させないための仕組みです。

これが無いと、統一は担当者の注意力頼みになります。注意力は必ず切れます。

ローンチ(ろーんち)

サイトやサービスを公開すること。公開日そのものも指す。

サイトやサービスを公開することです。公開日を指して「ローンチ日」とも言います。

公開は終わりではない

ローンチを終点として計画すると、公開直後の対応が計画に入りません。実際には、公開してから見つかる問題のほうが多いことがあります。

公開日の後に数日、対応できる余裕を残しておくのが実務的です。

チェックしておきたいこと

検索エンジンに拾われない設定(開発中に入れた非公開設定)が残っていないか。旧サイトからの転送は用意したか。問い合わせが実際に届くか。公開前に一度、本番と同じ環境で通しで確認するのが確実です。

ワイヤーフレーム(わいやーふれーむ)

配置と情報の優先順位だけを示した、装飾のない設計図。

色や装飾を省き、どこに何を置くか、何を目立たせるかだけを示した設計図です。「ワイヤー」と略されます。

なぜ装飾を省くのか

色や写真が入ると、議論が見た目の好みに流れます。「この青がいい」という話になり、情報の並び順が適切かという本題が置き去りになります。

あえて素っ気なくすることで、構造の話に集中できます。

次の工程との関係

ワイヤーで構造を固めてから、デザインで見た目を決めます。順番を逆にすると、デザインを作り直すことになります。

ASP(エーエスピー)

広告主と掲載する側を仲介するサービス。アフィリエイトの案件はここから探す。

Affiliate Service Provider の略。広告を出したい企業と、掲載したいサイト運営者を仲介するサービスです。

何をしてくれるのか

個別に企業と契約しなくても、登録すれば多数の案件から選べます。成果の計測や報酬の支払いもまとめて処理されます。

登録のときに知っておくこと

多くの場合サイト審査があります。登録から使えるまで数日かかることがあります。

アクセス数が少なくても登録自体はできることが多いので、正直に書いて問題ありません。

選び方

扱っている商材はASPごとに違います。自分のサイトの内容と重なる案件があるかで選ぶのが基本です。複数に登録することも一般的です。

UAT(ユーエーティー)

受入テスト。依頼した側が、要件を満たしているかを確認する工程。

User Acceptance Test の略。依頼した側が、実際に触って要件を満たしているか確認する工程です。受入テストとも呼ばれます。

制作側のテストとの違い

制作側のテストは「仕様通りに動くか」を見ます。UATは「業務で使えるか」を見ます。仕様通りでも実務に合わない、ということが起こり得ます。

進め方の勘所

「自由に触ってください」だと、確認が偏ります。確認項目の一覧を用意すると、抜けが減ります。

また、ここで出た指摘を「不具合」と「追加要望」に分けることが重要です。混ざったまま進めると、公開が延び続けます。

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