WordPress・CMSの用語
記事やページを管理する仕組みと、その内容を外部へ渡すための言葉。
それぞれ「なぜそれがあるのか」と「つまずきやすい点」まで書いています。実際にこのサイトを作る中で出てきた具体例も入れました。
アイキャッチ画像 / カスタム投稿タイプ / 固定ページ / スラッグ / タクソノミー / 抜粋 / パーマリンク / ヘッドレスCMS / GraphQL / CMS / WXR / REST API
アイキャッチ画像(あいきゃっちがぞう)
記事の代表画像。一覧のサムネイルやSNS共有時のカードに使われる。
記事を代表する画像です。英語では featured image と呼ばれます。記事一覧のサムネイルや、SNSで共有されたときのカードに使われます。
意外と効く場所
本文を読む人より、一覧やSNSで見る人のほうが多いのが普通です。アイキャッチは、その最初の接点になります。
設定されていないと「NO IMAGE」のような代替表示になり、一覧全体の印象が落ちます。
作るときの目安
SNSのカード表示に合わせて1200×630ピクセルが標準的です。文字を入れる場合は、小さく表示されても読める大きさにします。
記事ごとにデザインを変える運用は、本数が増えると必ず止まります。タイトルと分類だけを差し替える型を1つ作っておくと、続きます。
カスタム投稿タイプ(かすたむとうこうたいぷ)
WordPress標準の「投稿」「固定ページ」とは別に、独自に追加する記事の種類。
WordPressには最初から「投稿」と「固定ページ」がありますが、それとは別に独自の種類を追加できます。実績、スキル、用語集などです。
なぜ分けるのか
すべてを「投稿」に入れると、ブログ記事と実績が同じ一覧に混ざります。種類が違うものは、管理画面でも表示側でも分かれていたほうが扱いやすいからです。
種類ごとに専用の入力項目を持たせることもできます。実績なら「担当範囲」「使用技術」、用語集なら「読み」といった具合です。
注意点
追加にはプログラムでの登録が必要です(プラグインで代替できる場合もあります)。あとから種類を変えるのは面倒なので、最初の設計で決めておくのが望ましいところです。
また、GraphQLで扱う場合は、公開する設定を明示的に有効にする必要があります。
固定ページ(こていぺーじ)
日付順に並ばない、独立した内容のページ。プロフィールや問い合わせなど。
「投稿」と違い、日付順に並ばない独立したページです。プロフィール、会社概要、問い合わせ、プライバシーポリシーなどが該当します。
投稿との使い分け
判断基準は「時系列に意味があるか」です。ブログ記事は書かれた時期に意味があるので投稿。プロフィールは常に最新版だけあればよいので固定ページ、となります。
知っておくと便利なこと
固定ページは親子関係を持てます。/service/web/ のような階層構造を作れるわけです。投稿にはこの機能がありません。
また、カテゴリーやタグは既定では付けられません。分類が必要な内容なら、投稿かカスタム投稿タイプを検討する場面です。
スラッグ(すらっぐ)
記事やカテゴリーを識別するための、URLに使われる文字列。
記事やカテゴリーを識別する短い文字列で、そのままURLの一部になります。この記事なら glossary の部分がそれにあたります。
日本語のままにしない理由
WordPressは既定で、記事タイトルをそのままスラッグにします。日本語タイトルなら日本語のスラッグになります。
日本語もURLとして成立はしますが、実際にやり取りされるときは長い記号列に変換されます。この変換の扱いが処理系ごとに微妙に違うため、思わぬところで404になったり、リンクを共有したときに読めない文字列になったりします。
付け方の目安
英数字とハイフンだけを使い、内容が推測できる短い語にします。一度公開したスラッグは変えないほうが安全です。変えると以前のURLが404になり、共有されたリンクや検索結果からの流入が切れます。
関連記事: 日本語スラッグの投稿がNext.jsで404になった話
タクソノミー(たくそのみー)
記事を分類する仕組みの総称。カテゴリーとタグが代表例。
記事を分類・整理するための仕組みの総称です。WordPressの「カテゴリー」と「タグ」は、どちらもタクソノミーの一種です。
カテゴリーとタグの使い分け
カテゴリーは階層を持てる大分類で、1記事に1〜2個が目安です。タグは階層のない細かい目印で、複数付けられます。
「本棚のどの段に置くか」がカテゴリー、「付箋」がタグ、と考えると近いです。
ありがちな失敗
タグを増やしすぎて、1記事にしか付いていないタグが大量にできることがあります。この状態のタグは、絞り込みの役に立ちません。
また、同じ意味のタグが表記違いで並ぶ(Next.js と next-js)のもよくある事故です。付ける前に既存のタグを見るだけで、かなり防げます。
抜粋(ばっすい)
記事の要約。一覧での紹介文や、検索結果の説明文に使われる。
記事の内容を短くまとめた文章です。WordPressではexcerptと呼ばれ、入力しなければ本文の冒頭が自動で使われます。
自動任せにしない理由
自動の切り出しは、文の途中で切れます。「このサイトでは記事を書くたびに…」のような中途半端な文が、一覧や検索結果に並ぶことになります。
検索結果に出る説明文は、クリックするかどうかの判断材料です。ここが不自然だと、順位が良くても読まれません。
書き方の目安
100〜120文字程度で、「この記事を読むと何が分かるか」を書きます。本文の1文目をそのまま使うより、読者の得るものを書いたほうが効果的です。
パーマリンク(ぱーまりんく)
記事ごとに割り当てられる、変わらないことを前提としたURL。その形式の設定も指す。
permanent link(恒久的なリンク)の略。その記事を指す、変わらないURLのことです。WordPressでは、その形式を決める設定画面も同じ名前で呼ばれます。
形式の選び方
/?p=123 既定(数字だけ)
/2026/08/23/sample/ 日付を含む
/sample/ 投稿名のみ
内容が推測できる形が望ましいとされています。日付を含める形式は、古い記事に見えるという副作用があります。
重要な注意
この設定を後から変えると、公開済みのすべてのURLが変わります。共有されたリンクも検索結果も、すべて404になります。
変えざるを得ない場合は、旧URLから新URLへの301リダイレクトを必ず用意します。サイト開設時に決めて、以後は触らないのが基本です。
ヘッドレスCMS(へっどれすシーエムエス)
表示部分を持たず、内容の管理とデータの提供だけを行うCMSの使い方。
CMSから「表示する部分」を切り離した使い方です。CMSは内容の管理とデータの受け渡しに専念し、実際の画面は別の技術で作ります。「ヘッド(表示)が無い」という意味です。
何が嬉しいのか
表示側の技術を自由に選べます。WordPressのテーマの制約を受けずに、Next.jsなどでページを作れます。速度や見た目を、表示側の都合だけで決められます。
さらに、同じ内容をWebサイトとアプリの両方に配れる、という使い方もできます。
引き換えに増えるもの
管理する場所が2つになります。CMSと表示側で、それぞれサーバーやデプロイの仕組みが必要です。プレビューやフォームなど、従来なら標準で付いてきた機能を自分で作ることにもなります。
小規模なサイトでは、この手間が利点を上回ることもあります。「新しいから良い」ではなく、何を得て何を払うかで選ぶべき構成です。
関連記事: なぜこの構成にしたのか — ヘッドレスWordPress + Next.js の技術選定 / ポートフォリオサイトをヘッドレスWordPress + Next.jsでリニューアルしました
GraphQL(グラフキューエル)
必要なデータだけを指定して取得できる、APIの問い合わせ言語。
サーバーからデータを取得するための問い合わせ言語です。「どの項目が欲しいか」を要求する側が指定できるのが特徴です。
REST APIとの違い
RESTでは、あらかじめ決められた形のデータが返ってきます。記事一覧が欲しいだけなのに、本文まで全部付いてくる、ということが起こります。
GraphQLでは、タイトルとスラッグだけ、といった指定ができます。無駄な通信が減り、必要な情報が1回で揃います。
引き換えに必要なもの
要求の書き方を覚える必要があり、サーバー側にも対応が要ります。WordPressの場合はWPGraphQLというプラグインを入れます。
また、返ってくるデータの形が要求次第で変わるため、型を自動生成する仕組みと組み合わせるのが一般的です。
関連記事: なぜこの構成にしたのか — ヘッドレスWordPress + Next.js の技術選定
CMS(シーエムエス)
コンテンツ管理システム。プログラムを書かずに、記事やページを更新できる仕組み。
Content Management System の略。HTMLを直接書かなくても、管理画面から記事やページを更新できる仕組みです。WordPressが代表例です。
何を解決したのか
CMSが無い時代は、記事を1本追加するたびにHTMLファイルを作り、一覧ページにもリンクを手で足していました。本数が増えるほど、更新のたびに直す場所が増えます。
CMSは、内容をデータベースに保存し、表示は自動で組み立てます。書く人は内容だけを考えればよくなりました。
いまの位置づけ
「管理画面と表示が一体になっている」のが従来型です。これに対し、管理画面だけを使い、表示は別の技術で作るという使い方も広がっています。それがヘッドレスCMSです。
関連記事: なぜこの構成にしたのか — ヘッドレスWordPress + Next.js の技術選定
WXR(ダブリューエックスアール)
WordPressの記事をまとめて書き出し・取り込みするためのXML形式。
WordPress eXtended RSS の略。記事・カテゴリー・タグなどをまとめて書き出し、別のサイトへ取り込むためのファイル形式です。拡張子は .xml です。
どういうときに使うのか
サイト移転が本来の用途ですが、記事をまとめて投入する目的にも使えます。管理画面で1本ずつ作るより速く、内容を手元で作り込めます。
つまずきやすい点
状態の指定に注意が必要です。「公開」と指定したうえで日時が未来だと、公開されずに予約投稿になります。
もうひとつ、ファイル内に書く元サイトのURLが実際と食い違っていると、取り込み時に本文中のURLが書き換えられます。画像のパスが二重になる、といった壊れ方をします。
取り込み後は、件数と状態を必ず確認してください。エラーが出ないまま、意図と違う状態で入っていることがあります。
関連記事: 書いた記事をWordPressに届けるまで — CORS・nonce・CSSの壁
REST API(レストエーピーアイ)
URLと操作の種類でデータをやり取りする、広く使われているAPIの形式。
URLでデータの場所を示し、取得・作成・更新・削除といった操作を、通信の種類で区別するAPIの作り方です。WordPressには標準で備わっています。
GET /wp-json/wp/v2/posts 記事一覧を取得
POST /wp-json/wp/v2/posts 記事を作成
DELETE /wp-json/wp/v2/posts/12 記事を削除
知っておくと役立つこと
ブラウザのアドレス欄にGETのURLを入れるだけで、その場で結果を確認できます。データが取れているかを確かめるのに便利です。
つまずきやすい点
読み取りは誰でもできても、書き込みには認証が必要です。さらにWordPressでは、ログインしているだけでは足りず nonce も求められる場面があります。
また、パーマリンク設定によっては /wp-json/ ではなく /?rest_route= という形でしかアクセスできないことがあります。