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公開するまでに、何をどの順でやったか

公開

連載の第1回で、1つ作り切ると、触る範囲は勝手に広がると書きました。詰まった場所の一覧は出しましたが、どの順で起きたのかは書いていません。

並べてみます。これから同じことをする人にとっては、一覧より順番のほうが使えるはずです。

この記事で扱うこと

このサイトを公開するまでと、公開してからの流れを順に並べます。各段で何を決めたか、どこで止まったか、そして詳しく書いた記事への入口です。連載「エンジニアの勉強法」の補足として書いています。

全体は、4つの段に分かれていた

振り返ると、やっていたことは大きく4つでした。

段 やること 教材に出てくるか
1. 決める 何で作るか、どこに置くか 出てくる
2. 作る 手元で動く状態にする ここまでが大半
3. 出す 自分のドメインで見えるようにする ほぼ出てこない
4. 動かし続ける 壊れたら直す、足りないものを足す 出てこない

時間の配分は、この順番とは一致しませんでした。いちばん長かったのは4段目で、いまも続いています。

1. 何で作るか、どこに置くか

最初に決めたのは構成でした。WordPressで全部やる形ではなく、記事はWordPressに置いて、表示はNext.jsが作るという分け方にしています。

選んだ理由と、選ばなかった案を なぜこの構成にしたのか に書きました。企画の段階で考えたことは 企画・設計編 のほうです。

置き場所でひとつ誤算がありました。表示側にサーバーが要らない構成にしたのに、CMSのためにサーバーを借りることになりました。その経緯は サーバーは、要らないはずだった にあります。

構成を決めると、あとで出てくる問題も決まる

このときは「速くて、書きやすい」で選んでいました。実際に効いたのはそこではなく、2つに分けたことで、境目に問題が出るという性質のほうです。

記事が届かない、表示が古い、片方だけ落ちる。3段目と4段目で出てきたものの多くは、この分け方から来ています。選び直したいという意味ではなく、選んだ時点で何が来るかは見えていなかった、ということです。

2. 手元で動かす

ここは教材の範囲でした。CMS側の設定、表示側の実装、見た目の調整の順に進めています。

やったこと 記事
CMS側を整える WordPress構築編
表示側を書く Next.js実装編
見た目とブログ機能 デザイン調整・ブログ機能追加編

この段で詰まったのは、ほとんどが「書いてあるとおりにやったのに動かない」たぐいです。日本語のスラッグで404になるのは、その代表でした。

手元で動いた時点で、半分終わったつもりでいました。実際には3分の1も進んでいませんでした。

3. 外に出す

ここから先は、教材にほとんど出てきません。自分のドメインを持って初めて出てくる話だからです。

公開作業そのものでつまずいた分は ローカルのサイトを本番公開するまでにハマった話 にまとめました。数えると11個あり、仕組みから説明し直したのが 本番公開でつまずいた11のこと です。

特に時間を取られたのは次の2つでした。

詰まったこと 記事
www の有無で別サイト扱いになる wwwのあるなしで、別のサイトになる
ドメインが自分のものだと示す 所有権をどう証明するか

どちらも、作る話ではありません。「自分のものである」と外に向かって示す作業です。手元で動かしている間は、示す相手がいないので出てきません。

4. 動かし続ける

いちばん長い段です。公開した直後に、まず記事が投稿できなくなりました。

コードを含む本文がサーバーの防御に弾かれていた話が 自分のブログに記事が投稿できない、渡し方そのものを変えた話が 書いた記事をWordPressに届けるまで です。

表示の遅さも、公開して初めて数字で見えました。速くしたら、壊れた は、1.7秒を0.03秒にした代わりに公開作業が止まるようになった話です。

壊れたことに気づく仕組みを、先に作る

この段で早めに作っておいてよかったのが、脆弱性検知と監視の仕組み でした。

個人のサイトは、壊れても誰も教えてくれません。使っている部品の、そのまた部品に問題が見つかることもあります(依存の中の依存)。自分で見に行く習慣は続かないので、向こうから来る形にしておく必要がありました。

公開してから、足していったもの

ここから先は「壊れたから直す」ではなく、足りないものを足す作業になります。

足したもの 最初の記事
アクセス解析 GA4を入れる前に決めたこと
画面遷移の計測 ページを10枚見ても「1」と数えられる問題
検索からの見え方 「来なかった人」を見るために
検索エンジンへの説明 推測させるのをやめる
同意の仕組み 同意まで読み込まないことにした
読む体験 読む体験をつくる
問い合わせ 届かない問い合わせ

この順番にも理由があります。数字が見えないと、次にどこを直すかが決められません。解析を先に入れたのは、そのためでした。

順番は、どこまで選べたか

振り返ると、選べた部分と選べなかった部分がはっきり分かれていました。

中身
選べなかった 1→2→3 の順。構成を決めないと作れないし、作らないと出せない
選べた 4段目の中の順番。解析を先にするか、見た目を先にするか
選んだつもりが選べていなかった どこで詰まるか。構成を決めた時点で、ほぼ決まっていた

3段目までは一本道です。悩む余地が無いので、ここで時間を使うのはもったいない。迷う価値があるのは4段目だけでした。

もう一度やるなら

変えるとすれば2つです。

ひとつは、公開を先にすること。中身が空でもよいので、ドメインを繋いで出してしまう。3段目の問題を早く踏めるぶん、2段目の作り込みが無駄になりません。実際、手元で丁寧に作った部分のいくつかは、公開してから作り直しています。

もうひとつは、数えるものを先に決めること。解析は入れてから「何を見たいか」を考えました。順番が逆だと、集めた数字が使えないことに後から気づきます(測れるもので代用すると、測りたいものから離れる)。

変えないほうは、構成です。2つに分けたことで境目に問題は出ましたが、出てきた問題のほとんどが、書く題材になりました。詰まらない作り方を選んでいたら、この一覧は存在していません。

今回の学び

まず、時間は、作る段より後ろに偏るということ。手元で動いた時点を折り返しだと思っていましたが、実際はそこからのほうが長い。見積もるなら、作る時間の倍を後ろに置いておくほうが近いです。

次に、一本道の区間で悩まないこと。構成を決めて、作って、出す。ここに選択の余地はほとんどありません。選べるのは、出したあとに何から手を付けるかだけでした。

そして、順番そのものが、あとで役に立つこと。一覧だけ残すと「何を知っているか」にしかなりませんが、順番が残ると「どこで止まるか」が伝わります。同じ道を通る人に渡せるのは、後者のほうでした。

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