アクセス解析の用語
誰が、どのページを、どう読んだかを記録・集計するための言葉。
それぞれ「なぜそれがあるのか」と「つまずきやすい点」まで書いています。実際にこのサイトを作る中で出てきた具体例も入れました。
コンテナID(こんてなアイディー)
GTMの設定単位を識別する番号。この設定内容は誰でも読める。
GTM-XXXXXXX の形式で、GTMの設定のまとまりを識別する番号です。
設定は公開されている
このIDをURLに入れると、どんなタグがどんな条件で動くかを誰でも読めます。ログインは不要です。
これは不具合ではありません。GTMは閲覧者のブラウザの中で動くので、ブラウザが読める=人間も読めるのは必然です。
だから置いてはいけないもの
GTMには任意のコードを書ける機能があります。便利なので、外部サービスの鍵やトークンを直接書いてしまう事故が起きます。それは公開されたテキストに書くのと同じです。
値だけでなく名前にも情報が乗ります。未発表の企画名をタグ名にすれば、それも読まれます。
混同しないこと
「読める」ことと「書き換えられる」ことは別です。設定の変更には権限が必要です。防げないことに時間を使うより、置かなければ盗まれないものを確実に管理するほうが効きます。
コンバージョン(こんばーじょん)
サイトの目的が達成されたこと。問い合わせ、購入、資料請求など。
そのサイトが達成したい目的が実際に起きたことです。CVと略されます。問い合わせ、購入、資料請求、会員登録などが該当します。
まず定義する
アクセス数を増やすこと自体は目的ではありません。「何が起きたら成功なのか」を先に決めると、施策の良し悪しを判断できるようになります。
個人サイトなら「問い合わせフォームの送信」「記事を最後まで読んだ」といったものが候補になります。
設計のコツ
いきなり最終目的だけを見ると、数が少なすぎて改善の手がかりになりません。その手前の行動(フォームを開いた、詳細を見た)も一緒に記録しておくと、どこで離脱しているかが分かります。
スクロール深度(すくろーるしんど)
ページのどこまでスクロールされたかを割合で記録する計測。
ページのどこまでスクロールされたかを割合で記録する計測です。25%・50%・75%・90%といった地点を通過したときに記録する形が一般的です。
何が分かるのか
どのあたりで読まれなくなっているか、の目安になります。冒頭で大きく落ちているなら、書き出しか、記事に来るまでの期待とのずれを疑うことになります。
注意したい点
これは「画面が下まで移動した」という操作の記録であって、読んだことの記録ではありません。目次から末尾へ飛んだ場合も、一気に下まで送った場合も、同じように記録されます。
また、分母がページ全体なのか本文なのかで意味が変わります。フッターの高いサイトでは、本文を読み終えても90%に届かないことがあります。
関連記事: 「読み終えた」をどう数えるか
セッション(せっしょん)
1人の訪問者による、ひとまとまりの訪問。一定時間操作がないと区切られる。
1人の訪問者によるひとまとまりの訪問です。サイトに来てから離れるまでを1つと数えます。
どこで区切られるのか
一般的には30分間操作がないと、そこで区切られます。同じ人が朝と夜に来れば2セッションです。
PVとの使い分け
PVは「何ページ見られたか」、セッションは「何回訪問されたか」です。1セッションあたりのPVが多いほど、回遊されていると読めます。
記事1本だけ読んで帰る人が多いなら、関連記事や内部リンクの設計を見直す材料になります。
直帰率(ちょっきりつ)
1ページだけ見て離脱した訪問の割合。高い=悪いとは限らない。
1ページだけ見て離れた訪問の割合です。
高いと悪いのか
必ずしもそうではありません。探していた答えがそのページにあれば、満足して帰ります。用語集や解説記事では、これが正常な状態です。
逆に、回遊してほしいトップページで高いなら、問題の可能性があります。ページの目的とセットで見る数字です。
補足
GA4では直帰率の定義が変わり、「エンゲージメントのあったセッション」の裏返しとして扱われます。滞在時間やスクロールも考慮されるため、以前の数字とは単純に比較できません。
データレイヤー(でーたれいやー)
サイト側から計測側へ情報を渡すための、共通の受け渡し場所。
サイト側のプログラムから計測ツールへ、情報を渡すための共通の置き場です。GTMではここに置かれた内容を見て、タグを動かします。
なぜ直接呼ばないのか
計測ツールを直接呼ぶと、ツールを変えるたびにサイトのコードを書き換えることになります。
間に共通の置き場を挟めば、サイト側は「記事を読み終えた」という事実を置くだけで済みます。それを何に使うかは、計測側で決められます。役割が分かれるので、片方だけを変えられます。
実務での使い方
独自の出来事を記録したいときに使います。「読み終えた」という情報と、記事のスラッグやタイトルを一緒に置いておけば、あとから記事ごとの集計ができます。
関連記事: ページを10枚見ても「1」と数えられる問題 / 「読み終えた」をどう数えるか
読了率(どくりょうりつ)
記事を最後まで読まれた割合。何をもって読了とするかで数字が大きく変わる。
記事を最後まで読まれた割合です。訪問数のうち何件が読了に至ったか、で表します。
定義しだいで数字が変わる
この指標には決まった定義がありません。何をもって読了とするかを自分で決める必要があり、その決め方しだいで数字は何倍にも変わります。
| 定義 | 起きること |
|---|---|
| 末尾まで到達した | 読まずに送った操作も入る |
| 一定時間滞在した | 開いて放置しただけでも入る |
| 両方を満たした | 実態に近づくが、条件は複雑になる |
使うときの心構え
他サイトの数字と比べても意味がありません。定義が違うからです。同じ定義のまま、自分のサイトの推移を見るほうが役に立ちます。
定義を変えたときは、その日付を記録しておかないと、あとで「なぜここで急に変わったのか」が分からなくなります。
関連記事: 「読み終えた」をどう数えるか
ページビュー(ぺーじびゅー)
ページが表示された回数。同じ人が何度見ても、その都度カウントされる。
ページが表示された回数です。PVと略されます。同じ人が同じページを3回見れば3と数えられます。
いまの作りでの落とし穴
Next.jsのようにページ全体を読み込み直さずに画面を切り替える作りでは、計測ツールが移動に気づけません。最初の1ページしか記録されない、ということが起こります。
そのため、画面が切り替わったことを自分で計測側に伝える処理が必要になります。
二重計上に注意
この処理を足すとき、計測ツールが最初に自動で送る分と重なることがあります。結果として最初のページだけ2回数えられます。自動送信を止めて、こちらから一元的に送るようにすると揃います。
関連記事: ページを10枚見ても「1」と数えられる問題
GA4(ジーエーフォー)
Googleアナリティクスの現行版。閲覧数だけでなく、閲覧者の行動を『イベント』として記録する。
Google アナリティクス 4 の略。サイトに来た人が何をしたかを記録・集計する無料のツールです。
以前の版との違い
かつては「ページの閲覧数」が中心でした。GA4ではすべてを「イベント」として扱います。ページを見た、スクロールした、リンクを押した、動画を再生した——どれも同じ形式の記録です。
この形にしたことで、独自の行動も同じ仕組みで記録できます。「記事を読み終えた」といった、そのサイト固有の出来事を定義できます。
知っておくべき限界
計測は必ず一部を取りこぼします。広告ブロッカーを使っている人の分は記録されません。技術系の読者ほど利用率が高いため、実際の訪問より少なく出ます。
数字を絶対値として扱うより、傾向の変化を見る使い方が現実的です。
関連記事: GA4を入れる前に決めたこと / 「読み終えた」をどう数えるか
GTM(ジーティーエム)
Googleタグマネージャー。計測タグをサイトのコードを触らずに管理できる仕組み。
Google タグマネージャーの略。計測用のタグを、サイトのコードを直接触らずに追加・変更できる仕組みです。
なぜ間に挟むのか
計測ツールを直接貼ると、増やすたび変えるたびにコードの修正とデプロイが必要になります。GTMを1つ入れておけば、以後の追加や変更は管理画面だけで完結します。
用語の関係
コンテナが設定全体の入れ物、タグが実行される処理、トリガーがそれを実行する条件です。「このページを見たら(トリガー)、この計測を送る(タグ)」という組み立てになります。
忘れやすい点
設定を保存しただけでは反映されません。「公開」の操作が必要です。管理画面では正しく見えているのに何も起きない、という詰まり方をします。
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